クリスマスリースの意味は主に3つ。
魔除け
豊作祈願
新年の幸福祈願
そして、リースの輪が持つ「永遠」から「終わりのない永遠の神の愛」という意味合いも持っています。
もちろん見た目も素敵なリースですから、クリスマスまでを華やかに彩ってくれますよね。
ただ、リースの素材それぞれにも意味があり、飾る期間について外国との違いを注意してほしいポイントもあるんです。
ということで、フローリストおすすめの飾り方と合わせて、クリスマスリース素材の意味合いや、歴史までをまとめてみました。
失敗しないクリスマスリースの飾り方や、本当の意味までを知りたい方はぜひご参考ください。
クリスマスリースの意味
クリスマスリースには、大きく分けて「魔除け」「豊作祈願」「幸福祈願」の3つの意味があるといわれています。
魔除け
一般的に玄関のドアに飾られるクリスマスリースは、玄関に飾ることで家の中を守る、という意味があります。
冬でも青々とした葉をの常緑樹は、古くから強い生命力の象徴とされてきました。
また、葉自体にも殺菌作用や抗菌作用があるものが多く、そこから「災いから家族を守るもの」という意味が生まれたと言われています。
豊作祈願
リースには、常緑樹の他にも、松ぼっくりや木の実、姫リンゴ、麦の穂などが飾られていることがほとんどです。
これらは作物を模した飾であり、来る翌年の豊作を祈願するという想いが込められています。
新年の幸福祈願
後ほど詳しく説明しますが、キリスト教圏でクリスマスといえば、一般的に12月25日の当日のみではなく、約1か月のクリスマス期間のことを指します。
その期間、長く飾られるリースは、日本でお正月に飾られるしめ縄のような役割も果たしています。
輪の形の意味
最近のクリスマスリースはユニークなものまで様々ですが、共通しているのは「輪の形をしている」ことでもあります。
輪には「はじめも終わりもない」「永遠」などの意味があり、聖書で神を表現する「初めであり終わりである」などの言葉に通じるため、「生命や幸福がいつまでも続くように」という願いが込められています。
特にキリスト教の行事で広まったクリスマスリースには、イエス・キリストに対する「終わりのない永遠の神の愛」という意味が込められています。
家族や大切な人と過ごすクリスマスにぴったりの形というわけですね。
リース素材の意味
リースに使われる様々な素材。
意外と知られていませんが、日本のおせち料理と同じように、それぞれに願いや想いが込められています。
リボン・鈴(ベル)・・・魔除け
固く結ばれたリボンには、魔除けの意味があります。
ベルは、その音が魔を祓うと考えられてきました。
日本の神社のお守りに、鈴がついている理由ととてもよく似ています。
月桂樹などの常緑樹・・・生命力の象徴、農作物の繁栄
元々、キリスト教が普及していた地域には、日本よりも冬が厳しい土地も多く、人々が厳しい冬の寒さを乗り越えるという願いを込めて、冬でも鮮やかな緑色の、生命力の強い常緑樹を飾ったと言われています。
また、緑色には、「農作物の繁栄」を願うという意味が込められています。
モミ、ヒイラギの葉・・・キリストの受難、魔除け
よく、クリスマスリースに使用されるギザギザと先のとがった形をしている柊(ヒイラギ)。
ヒイラギの尖った葉の形状が、キリストが被っていたイバラの冠を連想させるため、ヒイラギは受難の象徴として使用されることが多く、宗教的な意味合いが強いと考えられます。
赤いヒイラギの実・・・キリストの血、太陽の炎
所説ありますが、ヒイラギの真っ赤な実は、キリストの血を象徴しているという説があります。
また、太陽の炎を表すという説もあります。
命を削って、人々のために血を流したキリストに敬意を払い、恵みをもたらす太陽の炎を願って、神聖なヒイラギの赤い実を飾ることになりました。
鮮やかな赤色が見た目のアクセントにもなり、可愛いですね。
松ぼっくりや姫リンゴ・・・収穫、神への捧げものの象徴
リンゴは、見た目の可愛さだけではなく、寒い冬に長期間保存ができ、栄養のある作物であるため、神へのお供えとして古くから使われてきました。
また、リンゴはアダムとイブがエデンの園で食べたものとしてもキリスト教では大きな意味をもつ実のひとつです。
クリスマスリースの歴史
クリスマスリースの意味合いを考える上で発祥も大切です。
その意外な歴史を紐解いていきましょう。
キリスト教のクリスマスの象徴として定着しているリースですが、その起源は、キリスト教誕生以前の古代ローマ時代(今から2000年~1700年前)まで遡ると言われています。
リースは祭事や結婚式など、特別な行事の際の装飾用のリングのことを指し、当時、詩人や勇者の栄光を讃えるために、月桂樹やオリーブで作った冠が捧げられていました。
オリンピックの聖火ランナーが、今でもオリーブの冠をかぶっているのは、ここからきています。
古くからリースをドアや頭に飾ることは、勝利や栄光を示す社会的ステータスだったのです。
その後もリースは、王者の冠や花嫁の装飾品として飾られたり、また、古代ローマ人は葬式の際に石棺にリースを飾ることが風習としてあったようです。
このようにリースは、長い年月さまざまな形で人々の人生の、特別な日の演出として取り入れられてきました。
クリスマスにリースが飾られるようになった詳しい理由はわかっていませんが、今から約1700年程前に、ローマの皇帝がキリスト教を国教としたこと際に、キリスト教徒にローマの風習が広まったと言われています。
元々習慣として定着していたリースを飾るという文化とキリスト教の文化が混ざり、クリスマスでもリースが飾られるようになったという説が有力だと言われています。
クリスマスリースを飾る期間
毎年12月になると、お花屋さんや雑貨屋さんでクリスマスリースを見かけるようになります。
そして、私達花屋に寄せられる質問として、
「いつ頃買えばいいの?」
「いつまでも飾っていていいの?」
といった疑問も多いんです。
ただ、これが日本と外国で異なる傾向なので、少し注意してくださいね。
日本:12月頭~28日頃
外国:11月末~1/6または2/2
失敗しない飾り方のために、それぞれの風習を見てみましょう。
キリスト教圏におけるクリスマスシーズン
実は、キリスト教圏でも教派によってクリスマスリースを飾る期間は異なりますが、以下の期間が一般的です。
アドベント(11/30にもっとも近い日曜日)~公現日(1/6)又は聖燭祭(2/2)まで
キリスト教以外では馴染みの無い3つの日、アドベント・公現祭・聖燭祭って何の日?という方の為に簡単に説明すると・・・
➀アドベント(クリスマス前の4週間、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間)
11/30にもっとも近い日曜日からクリスマスイブまで
②公現祭(神がイエス・キリストの姿をとって人間の前に姿を現した日)
1/6 この日までにクリスマスの飾りを片付ける、という人が多いようです。
③聖燭祭(イエスが生後40日後に神殿で清められたことを祝する日) 2/2 この日までクリスマスの飾りを残しておく、という教派もあるようです。
以上のことから、キリスト教圏の国では、クリスマスの飾りは11月末~2月頭、節分の時期まで飾ってあることが多いです。アメリカや他の国を訪れたときに、お正月を過ぎても街はまだまだクリスマス装飾で溢れているのは、このような意味からなのですね。
教会などは1月でもクリスマスリースを飾っているところが多いですが、決して片付け忘れているわけではないのです。
日本ではいつ飾るのが一般的?
日本では多くの家庭で、クリスマスが終わるとすぐにお正月の準備に入ります。
クリスマスまでは玄関に飾られていたリースが、翌日にはもうしめ縄に替わっていた、なんてこともよくある話です。
クリスマスリースを飾っておく期間としては、12月頭~28日にお正月飾りを出すまでというのが一般的だと考えられます。
特に宗教的な意味合いが少ない日本国内においては、好きなときに飾って、好きなときに片付ける、という認識でも問題なさそうです。
まとめ
クリスマスリースの意味合い ・魔除け ・豊作祈願 ・新年の幸福祈願 ・永遠の神の愛 ・素材それぞれに意味合いも
クリスマスリースを飾る期間 ・日本:12月頭~28日頃 ・外国:11月末~1/6または2/2
ちなみに、飾り方としては、玄関にフック掛け、家具に引っ掛ける、テーブルに平置き等、お好みで楽しむのがおすすめです。
手作りのクリスマスリースもまた趣向深いですし、ぜひ素敵なクリスマスをお楽しみになってください。
https://ganon-florist.com/2021/12/09/wreath-make/
また、私達GANON FLORISTでも、クリスマスリースを取り扱っているので、クリスマスを華やかに彩りたい方はぜひこちらもチェックしてみてくださいね。